まさきさんの哲学カフェ現状まとめ(2023年8月時点)

 

文章:TDKR_vr

追記:まさき

 

はじめに

 この文章はVRChatで開催されているイベント「哲学カフェ」(通称:まさきさんの哲学カフェ)内で実際に交わされた話やエピソードをもとに作成している。そして、哲学カフェの企画段階から実際のイベントにおける話の流れの構築等について「実際はどうやっているのか」の詳細部分をできる限り言語化してみた。テーマ作成周辺は哲学カフェにおける大きな課題だと捉えているので、特にテーマ作成部分の内容を充実させた。

 現状における事実以外にも課題や予測も盛り込んだので、かなりのボリュームとなった。よって、気になる目次から読んで頂けたらと考えている。

 現在、既に哲学カフェを運営されている方、あるいはこれから哲学カフェの運営をやってみようという方の参考になって頂けたら幸いである。

 

自己紹介

 

イベントにおけるまさきさん

 2020年5月から「哲学カフェ」をVRChatイベント形式で運営し始める。イベントにおいては主催の立場でありながら、あまり多くは語らないスタイルが特徴だと思っている。2020年9月ごろまではテーマ作成において、主に自身の職場環境における問題をベースとしたテーマを採用していたが、特に近年においては自分自身の現在の課題に関連するテーマを採用している。まさきさんとは8か月の同棲を経て、2022年の2月にTDKRくんと結婚した。

TDKRより

 

 主催のまさきです。やるしかない状況から始めた哲学カフェだったが、気づいたらもう初回は3年くらい前の出来事になっていた。これまで、私の哲学カフェに多くの方が参加して下さった。色々な方の助けがあって、ここまで続けることができた。長く参加されている方、初めて参加される方も含めて、これからもよろしくお願いします。

まさきより

 

イベントにおけるTDKR_vr

 TDKRさんは最初期の2020年の5月から哲学カフェに参加してくれていた。一参加者ではあったものの、当時からかなりのフォローをしてくれていた。2人で運営する今のスタイルが確立され始めたのは2022年12月からである。また、現在の前身のようなスタイルは2020年10月頃から始まり、この時点から運営の相談をTDKRさんとするようになり、テーマの吟味も2人で行うようになっている。上記の通り、現在は2人で結婚生活を送っている。

まさきより

 

 半年前くらいまでは裏方に徹しようとしていたが、哲学カフェの運営に携わっている以上、イベントの表方にもでないとやってこれなく感じてきたので、今は裏方も表方も両方で準備したりしている。イベントにおいてはまさきさんとは対照的で、頷き、返答、質問等のリアクションが多めで、自分の考えもよく話したりする。今後とも何卒、よろしくお願いいたします~

TDKRより

 

目次

 

 

■まさきさんの哲学カフェ内でのルール

 

「始める前に、全体の流れをご説明します。

 

まず最初に自己紹介、自分の名前と、今回のテーマについて思ったことを順番に言ってもらい、そのあといろいろ話していく、という感じです。聞くだけの参加も歓迎です。ディベートではありませんのでお気軽にご参加ください。

イベントカレンダーでは2時間の開催になっていますが、時間は前後することがありますので入退場はご自由にしてください。途中でぬけたりしても大丈夫です。そのときの挨拶もいりません。

 

また、この会は話す過程を重要視していて、いろいろな話が起こる場として開いています。

この場で相互作用が生まれたり、あとは考え方を持ち帰ったりしていただければいいなと思います。経験談やエピソードも歓迎です。

これから始めるにあたって、次の点についてお願いします。

1 人の話は最後まで聞きましょう。

2 話す際は簡潔にお願いします。

3 専門用語とかを使う際は説明もお願いします。

4 発言は譲り合ってください。(特定の人の話を深く聞きたいときもありますが、この場ではなるべく多くの人の話が聞きたいなと思います。)発言する前に、ほかに発言したそうにしている人がいないかよく見てほしいです。

 

以上です。では始めていきます。よろしくお願いします。」

(まさき43380、哲学カフェあいさつ、全文)

 

毎回上記の内容をイベント開始時にまさきさんが口頭で説明している。聞く側にとっては内容が長いと感じるかもしれないが、イベント参加者(特に新規の参加者)の方にとっては貴重なルール確認の時間となるため、この説明は一度も省略されたことがない。ちなみに、1,2,3,4の項目は他の哲学カフェでも採用されているルールでもあるので、哲学カフェにおいては、特別変わったルールではない。

 課題として、上記説明はイベントが始まるタイミングでしか行っていない。そのこともあってか途中で参加した新規の方は「どうなってんだこのイベント?」みたいな雰囲気を醸し出していたりする。実際、マジでどうしたらいいのか分からないのだろう。結果的に途中参加の方は短時間でスーッと移動されるのを比較的よく見る。この点も含めると、ワールドの入り口付近にルール説明文を載せておくことも必要かもしれないと検討している(この点は■途中参加の困難にて後述する)。

 まさきさんからの追記:上記あいさつはこれまで、イベント内で口頭で伝えるのみに留め、記事等にはしていなかった。一つはあいさつ文をわざわざ探して読まなくても参加できるようにするため、もう一つは「よくわからないけど参加してみよう」という方に参加して欲しかったためだ。とはいえ、やはり途中参加の方がルールを確認する手段がないため、何らかの方法での掲示はあってもよいと考えている。

 

■イベントの目標設定

 まさきさんの『哲学カフェあいさつ』にて「この会は話す過程を重要視していて、いろいろな話が起こる場として開いています。この場で相互作用が生まれたり、あとは考え方を持ち帰ったりしていただければいいなと思います。」と説明がある。これはイベントその場でのライブ的な満足よりも、宿題(お土産)として考え方を持ち帰って今後の生き方に反映してほしいという思いから発しているため、上記の説明を毎回行っている。これはイベント毎の短期目標としても設定している。ただ、この結果を知る術がかなり限られているのは課題であったりする。

 また、VRC内で色々な哲学カフェが増えたらいいなという願望もあるので、これは中長期的な目標であるとも言える。この文章全体もその一助となればと思って記述している。

 

■環境構成

 VRChat内における哲学カフェのイベントとして使用しているワールド「floating star」(作成:まさき43380)は、PC・Quest両対応をクリアすることを前提としている。そのこともあって、ワールドの容量は569.62KBと比較的軽い構成となっている。哲学カフェはイベントとしては2時間程度だが、アフター(イベント後のフリートーク)も含めるとトータルで5時間を超えることもザラにある。そのため、ワールド容量が軽いことはデータキャッシュの観点でも恩恵があるといえる。

 「floating star」外観の様子。オブジェクトの星の数は49個あり、それぞれ一個一個が手で持てるオブジェクトとなっている。ジャンプ力は高めで、重力設定も若干緩めに設定されている。BGMはない。ここ2か月くらいで聞いた話だと

「落ち着いた状況で話せる」

「たくさん星があって手持無沙汰にならなくていい」

「結構固めな印象な割に浮遊感があっていいバランスだと思う」

という声を複数名から聞いた。ちなみに「柱をジャンプで渡って、(画像中央上部付近にある)白い星をゲットしやすくするために、重力設定を緩くした」とまさきさん本人が語っていたので、実際はゲーム要素を入れるための重力設定だったらしい。

 実際の「哲学カフェ」イベントでの様子。参加者の方々はワールドの中央エリアを基点にしておおよそ円形になるように立つ。どの場所に立つかは毎回明示されておらず、参加者各々が自分で決める。一度ポジションが確定すると、その場から動くことはほぼない。

 ちなみに中央付近に表示されているのは「テーマ看板」で2023年の5月から導入されている。テーマが可視化されたことによって、以前よりの課題であった「テーマが逸れやすい」の事象を一定以上回避している(はずである)。

 また、ワールドの定員は24(48)人だったが、2022年の12月から定員16(32)人となっている。この変更は、VRにおける哲学カフェの運営上MAXキャパシティがおそらく25人前後(これは途中抜けを前提としている)であることを考慮して行った。今年2023年においては、実際に哲学カフェに参加された方は14〜20人となっている。参加者の方々の面子構成は、いわゆる「常連さん」の方が毎回10名ほどで、初めてイベントに参加される方は毎回最低でも3名以上である。最近の参加人数は割と安定傾向にあるが、2021年代は12名〜40名の間を行き来していた(大体は30人くらいであった)ので、現在よりも人数のムラがあった。

 

■告知方法

現在はTwitter(X)、Discord、VRChatイベントカレンダーの3つの方法でイベント告知を行っている。実際に今まで10名程度の参加者の方々に聞いてみたところ、イベントを知る媒体となっているのはTwitterが7割くらいで、イベントカレンダーが3割くらいであった。特に新規でイベントに来られる方に限ってはイベントカレンダーで知って参加するパターンが大半であるようなので、イベントカレンダーでの告知は現在でも重要な告知手段となっている。ちなみにDiscordは昨今のTwitter(X)くん周りの事情を鑑みて「他の告知手段もあったほうがいいのではないか」という考えのもと導入している。2023年8月現在においては哲学カフェのDiscordサーバーはイベント告知とイベントまとめ保管庫としての2点のみの運用となっている。

 

■テーマ作成時のプロセス

 テーマを作成するにあたっての現行におけるプロセスは以下のようになっている。

 

①対話による問題、課題の明確化

 まさきさんの哲学カフェはまさきさんの抱えているモヤモヤを明確化したものをテーマ化するというプロセスを経て毎回テーマが決められている。なのでまず第一にやることは

現在の「まさきさん自身が抱えている問題、課題」をまさきさんとTDKRの一対一の対話によって引き出していくこととなる。この行程は、最短で2時間はかかり、最長で8時間くらいはかかる。

 

②ブラッシュアップ

 問題と課題が見えてきたら、哲学カフェのテーマとしてブラッシュアップしていく。これは直近で行ったテーマ『継続』を一例として考えると、まずそのテーマの原型として出たのが

『これから』

『年を重ねる』

『考え方』

の三項目がまさきさんの中でのテーマになってきそうだなということになった。ただ、このままだといずれの3つもテーマとしては広すぎて考えにくい可能性があったので、これらのテーマと共通するテーマを考えてみた時に『継続』というテーマがでてきた。「じゃあひとまずはこれでいこう」となってからテーマの仮組みをする。ここは大体30分で決まる。

 

③シミュレーションと重要ポイント

 テーマが仮組みできたら、そのテーマで1時間ほど哲学カフェのシミュレーションを行う。パッと見では「いいテーマだな」と思っても、いざ実際に哲学カフェの形式でやってみたら話しにくいことはよくあることなので、シミュレーションはテーマが仮組みでき次第、毎回行う。シミュレーションを行うにあたって絞っているポイントは以下の3つ

・少なくともまさきさんと僕(TDKR)はそのテーマに対して何を最重要だと考えているか。→これはそれぞれ重要なポイントが異なっていても差し支えない。

・想定される参加者の方々にとって話しやすい内容となっているか→一対一だと話しやすい内容だが、多対多だと話しにくいテーマになっていることもあるので、この点も考慮する。

・テーマが抱える感情的なリスクはどの程度か→一見は前向きなテーマだとしてもテーマを裏返してたり、省略したりすると、ちょっと危険な香りがするテーマもある。先の『年を重ねる』は『老いる』と省略可能なので、その場合で考えていくとシミュレーションの段階で結構キツかったりする(この項目に関しては⑥、⑦で詳細を後述)。

 

④テーマ採用

 上記③の3つの項目をクリアして1時間ほどシミュレートが可能かつ「これは2時間では終わることはないな」という点まで見込みを出せたら晴れて哲学カフェのテーマとして採用という形となる。もし③のいずれかの項目でクリアができない場合は②の段階からテーマ構築を練り直していく形となる。

 この方法は一見めちゃめちゃ私的な理由でイベントを開催しているように思えるだろう。実際、僕も半分くらいはそうだと思っている。ただ、もう半分は他の参加者の方々にも共通するテーマである可能性が高いと考えているし、実際これまでもそのようなテーマを設定してきたと思っている。さらに前者のことをもう少し突っ込んでおくと、そもそも主催者側に当事者意識がないと主催者本人が哲学カフェに関心をもちづらくなってしまうのではと常々思っている。そうなっていくと主催者が哲学カフェを続けるモチベーションが確立しにくくなるだろう。そのため、むしろ私的な理由から出発するというのはテーマ設定においては大事なことであるとさえ考えている。

 で、①〜④までがテーマ作成時におけるひとまずの手順であるのだが、実際にこの方法で作っていくと前述の通り、複数個のテーマがでてきやすい等、より詳細な部分を詰めてテーマを考えていく必要性がある。その際の詳細な基準がどのように設けられているかも記述しておく。

 

⑤テーマの耐久性(多角性)の確保

 先の④においても少し触れているが、テーマを設定する際の一つの基準として、高耐久かつ様々な角度から考えられるテーマが求められる。個人的な感覚だが、哲学カフェのテーマはレイドバトルのボスくらいの耐久力があることが望ましいと考えている。テーマ自体が一つの強力な解答になってしまっている場合だと、イベント初期の時点で「あ、もうこれが答えじゃん」という状況になってしまい、30分もたたずにイベント終了感が漂う。実際は色々な角度から考えられるはずだが、既に強力な解答がでてしまっているとやはり発言がしにくくなる。よって、まさきさんの哲学カフェにおいては2時間では到底終わりきらないテーマくらいがちょうど良いという現状となっている。

 耐久性とはつまり「切り口が多いこと(多角性)」も意味している。まさきさんの哲学カフェにおいては、一つのテーマに対して多くの視点から考えてほしいということも趣旨の一つである。

 

⑥ネガティブイメージ(死)は避ける

 テーマ自体は色々な角度で考えられるが「どうにもネガティブなイメージがつきまとう」テーマになりそうな場合は、シミュレーションの時点でテーマ候補から外している。なぜネガティブなテーマを避けるのか?それは、参加者の方々は「テーマのもっているイメージに感情が引っ張られる」という傾向がみえてきたからである。

 先の『年を重ねる』の場合だと、換言した際に『老いる』という単語に変換可能であり、おそらくこの換言はイベントの早期に行われると予測できる。そして、この『老いる』という視点で対話を進めていった場合、高齢化に伴う機能低下等の話はもとより、「死」という領域にまで安易に突っ込みかねない。そして「死」はネガティブな事象として捉えられやすいので、このネガティブ感情をもってイベントに臨むのはちょっと厳しいな…と僕とまさきさんは考えている。少なくとも「死」というテーマは万人が扱えるテーマではなく、それは哲学カフェに参加される方々も例外ではないだろう。『年を重ねる』とは一見響きはいいテーマだが、このようにシミュレーションしていくと数歩でネガティブな領域が広がっていくこともある。

 一例として、まさきさんの哲学カフェで過去に『希死念慮』というテーマでイベントを行ったことがあった。既にテーマ中に「死」という単語が用いられていることもあってか、死についての話がそれはもう山ほどでてきた上で、他者に対して妙に攻撃的な人まで参加する結果となった…書き出したらキリがないので、ひとまずこういうテーマを取り扱ったらこうなったという話である。『希死念慮』はかなり極端な例であったとしても、その取り扱ったテーマにネガティブな要素(特に死の要素)が入っていると、やはりそのテーマの感情部分に引っ張られやすい…という例においては特に顕著であったのでここに記した。

 

⑦ポジティブな感情の抽出

 前述の⑥の要素を反転活用させたテーマとして『面白い』というテーマをイベントで行った。ここでの反転活用とは「ネガティブな感情に引っ張られるのであれば、逆に楽しいことや嬉しい感情も引っ張ってこれるのでは?」と仮説を立ててみて、実際にイベントでその効能を試験した活用法である。実際この試みは予想を上回る結果になったと感じている。事前のシミュレーションの段階において何時間でも話せそうな見込みはでていたし、とにかく切り口が多かったので、ほとんどの人が参加できるのではないかという予想も立てられていた。

 実際、複数参加者の方々から『面白い』の個人エピソードが多数出たと認識している。すなわち「善くも悪くもテーマのもっているイメージに感情が引っ張られる」のはおおよそ間違ってはいないことの裏取りもできつつあるのではないだろうか。

 

■テーマのパターン

「じゃあどのようなテーマだとやりやすいのか?」これについては現在に至るまでに、まさきさんの哲学カフェにおいて色々なテーマを取り扱ってきた。そして、その中で人が参加しやすいテーマには一定のパターンがあるというのも分かってきたので以下に記述する。ただし、あくまで以下の内容は僕とまさきさんにとっての体感がベースとなっている点はご注意願いたい。

ちなみに、

https://c.kinseilibrary.me/event.html

上記は実際にまさきさんの哲学カフェで扱ったテーマが記録されている。ご参考までにどうぞ。

 

 〇一単語系

 例:『〇〇』『〇〇とは』

 結論的に、現行のまさきさんの哲学カフェにおいては一単語系が比較的やりやすいと感じているし、実際にこのパターンのテーマを最も多く扱った。実例テーマとして『安心』『継続』『善性』『面白い』『希望とは』『リスペクトとは』等がこれにあたる(このあたりはポジティブの抽出もできていると考えている)。この一単語はおおよそ扱われる範囲が膨大なので、⑤のテーマの耐久性(多角性)をクリアしていることが多い。ただしその反面、広すぎるテーマ性ゆえに、考えやすい形で共有するための具体的なエピソードを交えつつ対話に参加していく形が求められる傾向がある。そのため「具体的な話ができる人しか話せない」という事象も生じやすい。

 ちなみに『〇〇』『〇〇とは』では「とは」の部分で実際のイベント内では結構な差が生じていると推測している。『〇〇とは』の場合だと「なんとかしてそのテーマの正体を暴こう」という流れになりがちであったので、煮詰まりやすい傾向があった。さらに、テーマに対してひたすら食いつく形になって、個人エピソードも出しにくかったと捉えている。そのため現行ではあまり『〇〇とは』の形式は採用されていない。その代わりに『〇〇』というよりシンプルな一単語系に削ぎ落したことによって、イベント内での対話の幅をもたせられるようにしている。

 

 〇二単語系

 例:『〇〇と〇〇』『〇〇の〇〇』

 実例としては『自分と向き合う』『悩みと良さ』『身の丈の獲得』が今年の内に扱ったテーマとなっている。現状の結果としては二単語系はドンピシャではまることもあるが、苦しい構造に陥る場合もあるので、おそらく博打要素が高いと考えている。

 このような二単語系は、その単語間の関係性だけを追求する流れになりやすいため、割と早期に強めの解答がでてきやすい。さらに、強めの解答がでてきてからが本番…というか持久戦となる。まさきさんの哲学カフェ史上、構造的にはもっとも美しくまとまったのではないかとさえ感じた『自分と向き合う』をした後、その経験から「テーマのパターンって二単語系が最強なのでは?」と今年の3月に思っていた時期があったのだが、それはテーマが参加者の方々の多くに対してハマった場合に限る。

 余談だが、二単語系はただでさえ持久戦となりやすい構造であるにも関わらず『身の丈の獲得』に至っては開始20分でその大枠のテーマ解答を僕自らがほぼ全部話してしまったので、HP0(無限)のゾンビテーマと無茶な消耗戦をする構造を自ら作ってしまった。当時の参加者の方々には大変申し訳ない気持ちがあるので、割と真面目に反省しています。

  

 〇方法論系(通称:How toもの)

 実例としては、今年の初めに『どうやって人と話せばいいの?』とテーマ設定してイベントを開催した。ちなみに現行のまさきさんの哲学カフェではほぼこの手のテーマを取り扱っていない。これはテーマの耐久性がどうこう以前に、返答が「これをすればOKです」にしかならないからである。答えが既に「ネットを見るか本を読め」くらいに限定されている。

 実際の中身としても「この本にはこう書いてあったんで」ムーブが生じた際には「それもそうですね…」と迎合するか「いや、本とか関係なく俺が最強だから」と書物と個人のゆるい殴り合いみたいななんとも微妙にチクチクする空気感が漂っていた。そして同時に「これって哲学なん?」感も極まっていたたまれなくなる。結論として、How toものはオススメしない。

 

 〇流行り系

 流行り系もオススメしない。以前まさきさんの哲学カフェにおいて『アバターは”着る”なのか』というテーマでイベントを開いたことがあった。このテーマの背景として、イベント起案当時はVR空間におけるアバターの存在はどのように扱われているのかをSNS上での発信を通じて散見することがあり「せっかくだからイベントでもテーマとして取り扱ってみよう」となった。結果としてはイベントに40名ほど集まる瞬間もあり、人数的には大盛況の形となった。しかし、イベントが1時間半ほど経過したあたりで「そんなことよりも俺のアバターを見てくれ」と参加者が思い思いのアバターに切り替えつつ、哲学カフェそっちのけでアバター交流会が始まってしまい諸々収集がつかなくなった。最後は「とりあえず今回はここまでです」とまさきさんが少々強引に締めくくり、イベント終了となった。とまぁ、このような形になるとは…と当時はプチ反省会も開いたりして「流行りものはアカン」と結論付けられた経緯がある。

 ちょっと雑なので補足しておくと、流行りものがどうこうというよりも、参加者の方が25名くらいを超えたあたりで割とキャパオーバーになってしまいがちな哲学カフェの性質と、「アバター」というVRChat空間上でアクションが取りやすい話を混ぜ合わせてしまった結果このようになった可能性が高いとは考えている。どちらにせよ、40人で哲学カフェを行うのは厳しかったと思っている。

 

■テーマのもつ力

 哲学カフェにおいてテーマのもつ力は絶大である。運営における防衛ラインを確保できるのは、雰囲気や個人ではなく、テーマであると考えている。テーマによって人数も面子構成も変わってくる。そして、現状の準備においてもテーマ設定に最も時間をかけている。哲学カフェはテーマによって左右される項目が非常に多い。つまるところ、哲学カフェの8割はテーマを考えることに終始しているといっても過言ではない。

 先ほどから例として挙げている『希死念慮』が最たる例だが、このテーマを掲げてイベントを開いた時は群を抜いて厳しい内容となっていた。これは哲学カフェが扱えるテーマの安全域から逸脱してしまっていたからだと考えている。『アバターは”着る”なのか』も定員的な意味でキャパオーバーが生じていたし、『どうやって人と話せばいいの?』はHow Toものの性質がそもそも哲学カフェとのミスマッチを生じさせていたと捉えている。

 このように「哲学カフェでは扱いにくいテーマ」があると考えている。逆の視点で捉えると、多くの人が参加しやすく、心理的な安全性が保たれやすいテーマというのは必然的に消去法の形で決まっていくのだと考えている。一単語系の『安心』『継続』『善性』のテーマ群はパッと見で明らかに防御力高めのテーマであると感じられるだろう。実際にこのあたりのテーマは非常にやりやすかった。よって、テーマ設定においては攻撃力を上げるよりも防御力を上げたほうが、ほとんどの場合でやりやすいと考えている。

 

■イベント開催中における留意点

 細かい部分まで含めるとかなり多いが、特に留意している点を記述していく。

①一人一回は話せるようにする

 まさきさんの哲学カフェのあいさつ全文中に「まず最初に自己紹介、自分の名前と、今回のテーマについて思ったことを順番に言ってもらい、そのあといろいろ話していく、という感じです。」とあるように、上記ルールの説明をした後に、一人ずつテーマで思ったこと、考えていることを話す時間が設けられている。つまりこの時に参加者の方は一回は話してもらうことになる。また、テーマに対して、率直に参加者本人が考えている発言となることが多いため、ここでの一言はテーマにおける核心に触れていることもよくある。直近の哲学カフェにおいても、ある程度イベントが進んだ後に改めて最初に参加者が発言した内容を引用したりしているので、この一周が回る時点で、僕もまさきさんも参加者の方が何を言っていたかを記録に書き留めていつでも引用できるようにしている。

 

②危険な流れになってきたと感じたら即時で切り替えていく

 最近は「哲学カフェをやってみようかな」と考えている方の話を聞くこともあり、そういった話の中で「イベント中のリスク」を気にかけている方もおられるため、リスク対応も記述しておく。とはいっても、イベント中における最初で最大のリスクとは「他者への攻撃的な発言」に終始していると考えているので、この点を掘り下げていく。

 「他者への攻撃的な発言」についてだが、まさきさんの哲学カフェにおいて、参加者の方が、他の参加者の方々に攻撃的な発言を向けることはイベント10回に1回くらい生じる。潜在的に「そういったことが生じかけた」ことはイベント3回やったら1回くらいはある。そういう時、僕の場合は「あ、ヤバそうな流れ入りそうだな」となると、その流れに入る一つ、二つ手前の話に巻き戻って質問することが多い。「あーちょっとすみません。ごめんなさい。さっきの〇〇さんの話もうちょっと聞きたいんですけど~」と割り込む。通称「巻き戻し」と僕は勝手に呼んでいる。一見その場においては不格好だが、そのままヤバそうな話を放流しているとマジでヤバい話になっていくことがほとんどなので、全体の流れ的には良いと考えている(実際放っておいたらどうなるのかは分からないが)。巻き戻しが使えない場合は、僕自らが話題を提供する。通称「持ち出し」である。ちなみに僕が持ち出さなくても他の方が話題を提供してくれたりすることも多々あるので、そういういった場合は喜んでその方に話して頂く。

 一応の補足として、実際にそういった攻撃的な発言が要因となって、尾を引いて問題となったことは30数回ほどの哲学カフェを開催してきた中で一度しかなかった。その時のテーマは前述の『希死念慮』で、開催前から「これは死にたいパーティーになるのでは!?」と予測していたのだが、実際に蓋を開けてみると予測とは外れた。ただ、その予測とは別に、ある特定の人が複数人に対して攻撃的な発言を行っていた。この時「流石にもう一回イベントに参加されたら困る」という思いが参加者の一部で生じていたので「それでは本人にご理解をして頂こう」と対応していくことになるのだが、あまりにも実践的すぎる内容だったので、マジで内容を知りたい方は直接聞きに来てください。

 

③話したい構造を作っていく

 ある意味当然だが、主催側の人間(僕もそうだが)が延々と話し続けるという構造は哲学カフェという構造上、やっていて結構苦しいし、見ている、聴いている人たちも苦しいだろう。そういう苦しい状況にならないようにするには、参加者のできるだけ多くの人が話せるような状況をイベントごとに毎回作っていくことが重要であると僕個人は考えている。ということで「じゃあどうすれば話してくれるの?」という訳であるが、ざっくりと言えば「コイツ話聴いてんな」と感じてくれる状況を作ればいい。僕は自分の考えをイベント中に話したり、イベント内での話をある程度まとめたりすることもあるが、どちらかというと他者への質問の形をとることが多い。後、他の方から見ると「コイツめっちゃ相槌打ってんな」と見受けられるかもしれないが、実際めっちゃ相槌を打っているのである。さらに最近は記録をとりながら話を聴いているので、1時間前の話とかを遡って質問、引用できるようにもなった(一時間前とかの話を引用すると、その話を出した本人がビックリする)。

 ここまでやると、「あ、ちゃんと聴いてくれてるみたいだな」と素直に受け止めてくれて色々話せるようになる人もいれば、「うわ、コイツ全部聴いてんのか…」と逆に尻込みして話しにくくなっている人もいるようである。もう少し力を抜くのが良さそう。

 前述の①、②を相互的に補強する要素として考えても、人が話したい構造を作っていくことはこのまさきさんの哲学カフェにおいて重要な要素であると考えている。

 

④複数人の進行役

 おそらくまさきさんの哲学カフェにおいて最も特殊な構造になっている要素が「複数人の進行役が存在している」ことだと考えている。イベントの中で発言を受け止めることが多いのは僕であったりもするが、実際のところ僕は明確な進行役ではない。イベントの際中では発言の飛ばしあい以外にも、参加者の方が他の参加者の方に質問することもたくさんある。2時間という限られた時間で10数名の人が「あぁ、ひとまずは話せたな」という想いを抱けるような構造を真面目に計画するのであれば、尚のこと進行役も散らした方がいい(体感的には進行役が完全に一人だと3人で話していても明らかに進行役にウェイトが偏る)。実際、まさきさんの哲学カフェにおいては毎回、進行役が3人くらいいるという現象が発生している。これは前もって計画していることではなく、その時その時の状況でそうなっているのである。この手の話題はこの人が進行役で~とかすらも決まっていないので、かなりフワッとしている。

 …一応、進行役が毎回複数人発生する現象がなぜ生じているのか考えてみる。VRChatのイベントという枠組みで考えた時に、その数多あるイベントからわざわざこのまさきさんの哲学カフェに参加してきているということ自体が意欲ある行動だと思う、そして、そこまでの意欲があるのであれば進行役もやってみたいという思いも自然とでてくるでしょう…と僕は予想している。まぁ、そういうことで無理くり理由付けしてみたけども、実際の現象としては皆さんやりたいことをやっているだけっぽいので、進行役といってもやることは、その想いとか思考の流れを、ちょろっと触れるくらいの感覚でやればいいのかなと考えている。なので、まさきさんの哲学カフェに参加された方は気兼ねなく進行役もやっていって下さい。

 

⑤エピソードを出していく

 最近はエピソード(個人の具体的なエピソード)をイベント内で出していくことにも力点を置いている。新規の方達にとっては結構ハードル高めの項目になりがちだが、この点については僕やまさきさんがイベントの序盤で自らエピソードを出して実例を挙げて、後に続きやすい状況を構築している。直近2回のイベント内では以前よりも個人のエピソードが割合的に多くなっている傾向にある。

 個人のエピソードを重視し始めたのは、具体から抽象に入ったほうが論筋として通しやすく、他者への納得も得やすいからである。さらに、エピソードは基本的に「出し得」であることも分かってきたことも関連している。個人のエピソードは「ここで出しても大丈夫なのかな…」と思われがちだが、結論的にはまずもって大丈夫である。むしろ、自分自身が抱えていたエピソードを多人数の場において明るみに出すことによって、そのエピソード(経験)を多人数によって多角的に解釈されることになる。このことによって、今まで他者に話すことがなく、消化不良に終わっていた出来事、エピソードに対して一定の進展を与えることが可能となる。この一連については、哲学カフェの社会的な有用性であると把握している。

 このように書き連ねるとちょっと胡散臭い似非療法みたいな話に見えるのではないかと思う。なので、個人のエピソードを出すことのデメリットも合わせて記述しておく。

 実際のところ、個人エピソードをイベント内で出すことによるデメリットはあまり感じていないのだが、敢えて挙げるのであれば、不本意に個人情報が流出してしまう可能性くらいであろう。とはいえ、ここにおける個人情報とは住所や氏名レベルのものであり、さすがにこのレベルの情報が出たことは未だない。むしろ「あの場で話せなかった」というできるのにしなかった系の後悔交じりの話をイベントのアフターで聴くこともあるので、どちらかといえば話せなかったことによるデメリットの方が大きいのではないかと思っている。もう一つ補足しておくと、個人エピソードを非難、バッシングする方というのは現状まさきさんの哲学カフェには居られないので、その点でも大丈夫である。仮に非難される方が来られたら、その方はイベントのルールから逸脱していることになるので、全員でその方を止めに入る形になると予測している。

 

■途中参加の困難

 これは現在に至るまで、まさきさんの哲学カフェにおいては恒常的な問題となっているのでここに記すことにした。仮にルールや流れ全般が分かっている常連の方のような場合でも、イベントの途中から参加するとなると、話の流れを知らない状況で参加することになるので、話の全貌がわからず安易には話しにくくなる。これは実際僕も経験したことである。ちょっとお手洗いに行って戻ってくるだけで話が分からなくなることも多々ある。一応の対応策としては、途中から入ってきた人に対して今北産業くらいの説明をしたりもするが、これは明らかに説明不足である。ちなみに前述はあくまで参加人数が5,6人であれば応急の説明はできるが、哲学カフェは比較的多人数で行うので途中参加の方にその都度、随時説明を補足すること自体も困難である。「会話ログ的なものを入り口にでも表示できるようにしておく」とかも考えたが、現状は技術的に未だ難しく、たとえ会話ログを用意できても読んでいる最中にリアルタイムで話が進んでいくので、話に追いつくことが難しい。よって、途中参加の方への配慮には構造上の限界が生じている。

 

■記録について

 現在はまさきさんと僕が二人とも記録をとっている。記録の取り方はまさきさんが動画を回しながら、アナログのノートでできる限り記録を取っている。これは後の振り返り用(テーマのまとめの作成)で使用することが多い。僕もアナログのノートで記録をとっていて、これは振り返りで使用することもあるが、むしろイベントで即時に使用するものとして速記で記録をしているので、記録というかは記憶の補強として使用している。なので、ノート二種と動画による三点で記録しているのでほぼ漏れがない状態の体制となっている。

 課題としてはまさきさんも僕も、自分が話すときに並行して記録を行うのが難しいので、どちらかがおろそかになりやすい→対策としてまさきさんが話している内容は僕が記録していて、僕が話している内容はまさきさんが記録している。また、課題というかは結果として生じていることで、記録を取ったほうが色々やりやすいことに気が付いてきたので、VRゴーグルを被ることがなくなった。そして、なぜか参加者の方々のデスクトップ率が明らかに上昇してきている。ちなみに以前、僕はフルトラッキングで哲学カフェに参加していた。これは「記録と検索に頼ってはけない」という自分なりのルールに従った結果であるが、ここまで縛る必要はないと現時点では思っている。

 まさきさんからの補足:2022年12月頃からテーマを2人で考えるようになり、以前開催した哲学カフェの内容を振り返ろうとしたところ、記録をつけていなかったためかなり後悔した。VRゴーグルをつけてinしていたというのもあるが、それにしても振り返られるものが記憶しかない。それもそのときのイベントの印象程度で、イベント内で具体的にどのような話が出たかは今でも思い出せない。以降はTDKRさんと2人で話す際やVRChat内で他の人達と話す際はアナログのノートに記録をつけるようにした。話を聞きながら要点をまとめようとすると聞き洩らし、書き洩らしが発生するので、自動的に書くくらいの気持ちで記録を取っている。なので、記録はひとまず話として出たことをすべて網羅的に書くのが良いと思う。

 

■まとめの作成とその具体的な方法

(ここはまさきさんが記入しています)

 2023年5月からは自分たちの振り返りのためと、記録を他の参加者さんへ還元するためにまとめ作成を始めた。ここにおける記録とは、哲学カフェででた話のまとめと主催からの感想である。

 作成方法は、まず双方の記録を照らし合わせ、内容を振り返る。その中から話題ごとに目次を作成し、肉付けの元となる要素を抜き出す。この目次と要素は記録を見ながら書くため、記録ノートとは別の編集用ノートに書く。この抽出が終わったら、次はGoogleドキュメントで共有ドキュメントを作成し、私とTDKRさん各々のパソコンから入力していく。まず編集用ノートに抽出した内容を書き、記録を元に肉付けをしていく。双方の記録から漏れた部分は動画で内容を確認する。作成中それぞれが感じたことのコメントも色付き文字で付け加える。twitter(X)に画像で投稿するため、A4サイズで4ページほどに収める。字数だと5000字ほどになる。文章が完成したらpdfで保存し、イラレでjpgに変換する。twitter(X)とdiscordサーバーの「まとめ保管庫」チャンネルにアップロードしたら完了である。

 要素抽出に約30分、入力に2時間、ブラッシュアップと投稿までに2時間ほどかかる。けっこうな時間がかかるが、後々振り返られるものがまとめのみ(動画もあるが長いためほぼ見返さない、かつ他の参加者の方は見られない)であるためできるだけクオリティを高めたいと考えている。

 後日、まさきが所有する個人サイトにもテキストとしてアップロードする(htmlのぽちぽち手打ちである)が、上述のまとめ作成で休日が終わるため、翌週以降の対応となりがちである。

 

■哲学カフェを2人(以上)で運営する

(ここの前半はまさきさんが記入しています)

 哲学カフェを2人以上で開催するメリットは相談できること、分担できること、出力の安定・向上が図れることである。

 例えばテーマ候補にネガティブな要素が含まれていた場合、1人と2人では気付ける可能性が2人のほうが高い。仮に初手で2人とも気づけなくても、シミュレーションした結果分かることもある。記録も2人ですれば取りこぼしを減らせるし、まとめ作成も分担できる。1人で開催していたときは記録をとるという発想自体がもてなかったし、仮にやったとしても作業量の多さにギブアップしていたかもしれない。2人で開催すると分担できる安心感があり、また面倒くさかったりハードルを高く感じたりしたとき、お互い話したり聞いたりできるので継続もしやすくなり、質の向上にもつながるだろう。

 デメリットを挙げるなら時間がかかることだろうか。ある程度のクオリティが出力できる環境がゆえに、準備で平均8時間、イベントに約7時間、まとめ作成に約5時間でトータル20時間をイベント周りのみで使用している。おそらく一人でやる場合はここまでの時間をかけたくてもかけられないと思うし、むしろそれが一人でやる際のメリットだろう。

 

■雑談インスタンスの活用

 

 哲学カフェとは別に「雑談インスタンス」を開いている。開催は土日のどこかで、前日や当日に告知するなど突発的に開いている。話し方はいつもの哲学カフェのようになるのでいわゆる一般的な雑談ではないと思っている。内容的には、哲学カフェでは扱いづらいことをテーマにしたり、哲学カフェそのものについて話したりしている。哲学カフェのイベント内だけでイベントの仕組み諸々を含めて全てを完結することには無理があるので、哲学カフェで漏れ出た項目の多くを消化可能なこの雑談インスタンスは重宝している。雑談インスタンスインスタンスマスターはTDKRが行うので、まさきさんの哲学カフェとは微妙に参加層が異なる。インスタンスマスターの切り替えが容易であるのも二人で行っているメリットが生じていると感じている。

 

■余談

https://www.soumu.go.jp/main_content/000637162.pdf

これは総務省が出している「教材1「哲学カフェをやってみよう!」というpdfでの記事。

今回のこの文章と重複していることが多々あったので、割と車輪の再発明をやっていたことになる。ちなみに僕とまさきさんは今日(2023年8月11日)知りました。

 

さいごに

 現状における事実以外にも課題や予測も盛り込んだので、大ボリュームの内容となった。このまさきさんの哲学カフェは断続的に丸2年ほどイベントを継続した。特にこの半年は本格的に2人体制で哲学カフェの運営をおこなっていたこともあって、色々なことに気づけた。

 一つ目は、想像以上にテーマが個人や環境等の部分にまで影響していたことに気づいたことで、これは大きな収穫であった。

 二つ目は、哲学カフェイベント内でエピソードを出すことは非常に有効な手法であり、社会的な価値(有用性)もあることに気づいたことである。

 三つ目は、記録を取り始めたことによって、まとめの作成等、アクション出来る幅が広がったことであった。一つ目のテーマの気づきと、二つ目のエピソードの部分も、この記録あってこそ成り立つことであったと実感している。

 

これからもまさきさんの哲学カフェは継続する予定なので、何卒よろしくお願いいたします~

TDKR_vr

 

 ここまで網羅的に全体を振り返ることは今まで無かった。また、一人ではここまで多くのことに気づけなかっただろう。記録をつけ始めたことで、振り返りと整理の地盤が整ったのだと思う。これらを足がかりに、これからも継続していきたい。

 今後ともよろしくお願いいたします。 

まさき43380